KAGAYAダイアリー:2007年1-3月

■ 2007.2.12

 満天での公開から7カ月かけて、ようやく配給版の「銀河鉄道の夜」が完成しました。満天で公開した画像は2200×2200ピクセルでしたが配給版は4000×4000ピクセルと、面積比が3.3倍の解像度になりました。15台PCを使ったCINEMA 4Dの再レンダリングに6カ月、After Effectsでの合成に2カ月の時間を要しました。
4000ピクセルのドームマスターは4Kと呼ばれますが、この4Kのデータを活かせるプラネタリウムはまだ日本にありません。現在はあきらかにオーバースペックなデータですが、10年後には主流となるでしょう。
やるからには業界最高品質でと思い4Kを手掛けましたが、計算時間、メモリー量、データ量などすべてが今の機材でギリギリ限界の世界、重油の海を泳ぐような作業は難航をきわめました。

▲満天版
▲4K版      
▲原寸表示

■ 2007.2.12

 各配給会社へ「銀河鉄道の夜」の映像データを発送。映像データはドームマスターと呼ばれる丸い静止画像。この静止画像30枚で1秒分のアニメーションとなります。「銀河鉄道の夜」通常版は38分のアニメーションなので約69000枚のドームマスター画像をつくりました。この全データ量は、データ圧縮をしても1.4テラバイト。(1テラ=1000ギガ)3か所の配給会社に通常版とショートカット版の2種を送るので、それぞれテラバイト級のハードディスク数台にわけて発送しました。1台のハードディスクにデータをコピーするだけで2〜3日かかります。

▲数台のPCに分散保存しているドームマスター画像を輸送用ディスクにコピー
 
■ 2007.3.8

 福岡県青少年科学館の「銀河鉄道の夜」上映チェック。

▲機上から見えた富士山
▲福岡県青少年科学館
▲ポスターの貼られた館内
 
■ 2007.3.13

 午前は日立シビックセンターの「銀河鉄道の夜」上映チェック。午後は福島へ。
 こむこむへも立ち寄りましたがたまたま休館日で残念。

▲日立で「銀河鉄道の夜」上映に使うリブラ製『はこにわシステム』は巨大な凸面鏡が特徴
▲音響チェックのため加賀谷玲も試写に参加
▲乗り換えはのどかないわき駅
▲磐越東線で日立〜福島へ移動
 
■ 2007.3.18

 東京から徳島あすたむらんどへ。明日の講演会のリハーサルと車窓額装設置。

 ■ 2007.3.19

 徳島あすたむらんどでの「KAGAYAトークショー&サイン会」。プラネタリウムドームを使って映像演出をしながらの講演。内容は、世界旅行、デジタルペインティング制作過程、『銀河鉄道の夜』ハイライト上映、未公開映像を交えた「『銀河鉄道の夜』原風景を訪ねて」、『銀河鉄道の夜』スケッチからのメイキング、南極皆既日食映像、月旅行、と今まででも最も充実した内容に。
 「One night」を歌っている井上ヒロコさんたちも見にきていただきました。
 夜の便で東京へ。

■ 2007.3.26

 浜松科学館にて上映チェック。

▲浜松科学館はリニューアルしてちょうど1年目のりっぱな施設。
▲“満天”で音響をやってくださった小川さんが音響セット中。


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